貨幣経済は太古の昔から存在しており、昔は特別な玉や石、貝などが用いられていました。金属の発明で次第に量産が可能になったのと同時に、貨幣経済の成長が始まりました。紙幣が登場するのは近代になってからです。その頃は、金が国家財政の基礎にあったので、金の保有量に裏付けされた形で通貨の信用が保たれる時代が長く続きました。今は、通貨の価値が日々変動するようになりました。世界中の市場で為替相場が決まる現在、通貨価値は様々な要因で決まります。
さて、市場で取引される電子的な通貨とは別に、私たちは毎日の生活のため、仕事をしてお金を稼いでいます。国が発行する通貨を誰もが信用しているからです。しかし、世界では自国の通貨を信じずに他国の通貨の方を信用している国もあります。また、自国で通貨を作らず、外国の通貨を流通させている国もあります。米ドル、ユーロ、英ポンドそして日本円というのが現在の基軸通貨だと言われています。それらは、財政金融の信頼度や貿易規模や実績を基に定められていると言えます。つまり、日本円を使う私たちは世界から認められた通貨を使用していることになります。日本円は私たちの毎日の仕事の結果、国際的に信用されているとも言えるのです。
お金の重要性に国の違いはありません。しかし、通貨が安定している国とそうでない国では状況が異なります。ハイパーインフレを経験した国では、通貨に対する信頼度が劇的に悪化します。大切な通貨を信頼できないほど恐ろしいことはありません。日本円が今後も安定した通貨であることが、経済の基本であることを理解しておくべきでしょう。